ネット広告の収入へのシフト

各新聞社はネット時代の新しいビジネスモデルを模索した。自社のサイトに広告を掲載することを最大の柱とするネット収入は、2005年に新聞業界全体で33%増えた。2006年にも同程度の増加をみた模様だ。

だが、ベアー・スターンズ証券の試算によれば、新聞社の売上高のうちネット収入は1割にも満たず、紙の広告収入が約7割を占めていた。米新聞協会によれば、新聞業界の全広告収入は、2006年7~9月期に前年同期比2.6%減少するなど、減少が続いた。ネット収入で、紙の広告収入減と発行部数減を埋められる見通しは立っていなかった。

その結果、各新聞社の経営は悪化した。


米大手新聞グループ5社

その大手新聞グループ5社は以下の通りである。

新聞名 出版社・通信社
『USAトゥデー』 ガネット
『シカゴ・トリビューン』 トリビューン
『ニューヨーク・タイムズ』  ニューヨーク・タイムズ
『マイアミ・ヘラルド』  ナイトリッダーを2006年に買収したマクラッチー
『ウォール・ストリート・ジャーナル』 ダウ・ジョーンズ

このうち、ダウ・ジョーンズを除く4社が、2006年に実質減益になった。

株価も大幅に下落

各社の株価も、2005年に平均20%と大幅下落。2006年には大手が4%上昇とやや持ち直したものの、中小はさらに22%下落した。

リストラ

2005年のナイトリッダー買収に続き、2006年はトリビューンが身売り話に揺れた。ニューヨーク・タイムズについても、身売り話が取りざたされ、株価が大きく動く場面がしばしば起きた。

株主の圧力を受けて、各新聞社が進めているのが人員削減だ。ワシントンDCにあるメディア研究所「卓越したジャーナリズムプロジェクト」が出した『ニュースメディアの現状2006年版』によれば、2000~2005年の間に、ジャーナリスト全体の7%に当たる3800人が失業した。

ロサンゼルス・タイムズの人員削減

発行部数4位の『ロサンゼルス・タイムズ』は2000年にトリビューンに買収されて以来、2005年までに全体の2割を超える200人以上を削減した。2006年には経営陣がさらに50~75人の追加削減を発表。同紙の発行人と編集主幹は新聞の質低下を懸念して抵抗したが、発行人は更迭された。編集主幹も退職を余儀なくされた。

トリビューンはこの更迭劇の前に同紙を売却する方針を発表した。カリフォルニアの大富豪などが買収に関心を示し、交渉が行われた。

ワシントン・ポスト

また、『ワシントン・ポスト』『ニューヨーク・タイムズ』など米国を代表する新聞社も、2006年から2007年にかけ、次々と人員削減を発表した。こうした動きは、米国外にも波及した。

『ワシントン・ポスト』が2006年3月に発表した人員削減策は、ニュース部門800人のうち約1割を削減するものだった。それに伴い東京、ロンドン、パリの支局縮小が決定した。

財団法人フォーリンプレスセンター

在日外国メディアを支援する財団法人フォーリンプレスセンター(東京都千代田区)によると、在日外国メディアで働く人の数は2006年に587人だった。ピーク時の2002年から4割近く減った。日本における取材拠点の縮小だけでなく、拠点そのものが閉鎖される例も出た。

この背景には、欧米メディアの関心が日本から中国にシフトしつつあることもあった。

関連動画

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